愛の不時着を見終わった。いや……見終わってしまった……。不時着難民です。誰か助けてください。

普段韓国のドラマは一切見ないが、これは本当に面白い作品だった。次を見る手が止まらない。やめられない止まらない。(某カルビー風)
面白いものには必ず理由があるという考えのもと、見終わって改めて面白さの理由を考えてみた。




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王道を着実に抑えてる。
これに尽きると思う。王道とは何か?平たく言うとそれは、テンプレだ。よくある展開やキャラクターで話が展開され、男女の恋と悲哀、最後は互いに結ばれる。つまり、特に奇抜なことはしていない。が、だからこそ多くの人に受け入れられ、それを高度なレベルでやっているからヒットしたのだ。これは漫画も同様で、鬼滅や呪術などヒットしている作品は設定を変えたりしているだけで、下地は間違いなく王道だ。王が歩む道…故に王道……。

クスッとドキッとするすれ違い

愛の不時着では、特に個人的に面白いと感じた王道ポイントが2つある。その1つ目が
すれ違いだ。当人同士の物理的なすれ違い、また互いの考えのすれ違い。これが愛の不時着では、効果的に面白く使われていた。

(ネタバレ注意報発令)

例として分かりやすいのが、ジョンヒョクとセリが過去にスイスで会ってたというものだ。まあ、そんなことある!?という何とも都合いい話だが、確かに不時着して出会った人と過去に出会っていたなんていうのは、何ともロマンチック。そして、それを互いが分かるのが、後半セリが北朝鮮を発つ前、ジョンヒョクの家でピアノを弾いたときなのだが、ここに入れたというのが超重要。
別れの前に運命的な事実を知ることで、より別れが辛くなるという効果を生んでいるのだ。これによって、より感情を昂らさせ切なく感じさせて、次が見たいと思わせる。視聴者は、2人が会っていたことはずっと知っていたことなので、やっと繋がった!という快感もあったと思う。これが物理的なすれ違い。

考えのすれ違いで言うと、1話目でセリとジョンヒョクが初めて会った最、互いの心の声が映し出されるシーンがある。セリは、猫かぶって接すればすぐに解放してくれると考えていて、一方ジョンヒョクはセリのことを連行しようと考えている。単純だがこういうすれ違いも、2人が分かりやすく正反対な人間だということを示し、クスッと笑わせる効果がある。その他にも、ネトゲ対戦してるジョンヒョクと隊員が気付いてなかったり、フライドチキン配達をサボってたからジョンヒョクに会えなかったりと、数々のすれ違いがある。すれ違いという見せ方は、王道でありながら上手く使えば様々な効果を発揮してくれるツールだと思う。




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脇役も描かれる成長

2つ目の王道ポイントは、キャラクターの成長だ。キャラクターの成長を見れるのは、見続ける理由にもなるし単純に見てて楽しい。この成長を描くのは簡単そうで、意外と難しい。
前提として、成長前も魅力的なキャラなのが重要だ。マイナスなイメージから成長を描くのは楽だが、それまでの段階で好感を得ることが難しくなってしまう。その点、セリはジョンヒョクと出会う前のわがままで自信家な感じも、面白く憎めなかった。そこから、ジョンヒョクとの出会いで人と関わることを知り、前より笑うようになって自分もみんなも愛せるようになった。
ジョンヒョクも、クールで誰も愛さないと決めていたが、セリと出会ってまた大切な人のことを想えるようになった。最初からずうっと好感を持たせて成長を描いているから、一緒に応援したくなる。そして愛の不時着では、他のキャラクターもそこがしっかりしている。スンジュンはダンと出会い真っ当に生きることを目指す。ヨンエ同志の取り巻きまきも、当初は媚を売るために物を持ち寄っていたが、最後には心からの思いで接するようになる。
そしてそして、ピョ・チス。めっちゃセリに憎まれ口叩いてたのに、最後はセリに手紙書いて見送って……そのあとめちゃくちゃ泣いた。
作品の主軸はセリとジョンヒョクだが、サイドストーリーとして同時進行で他のキャラクターの成長も描かれる。セリたちだけでも面白いが、脇を固めるみんなの成長も描くことで、より満足度の高い作品になったと思う。(ピョ・チス推し)

以上が、愛の不時着の王道的面白ポイントだ。王道は簡単そうに見えて、再現度はクソ難しいので尊敬の眼差しで見てできる限り学ばせてもらう所存。

見てない人はお早めに!!!




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